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We pioneer motion
Schaeffler Kolloquium 2022 | Energizing the Next Generation

この短い読み物を読み終えるのにかかる時間は5分程度でしょう。その5分間に世界の人類が排出する温室効果ガスの量は50万トンと言われています。これを最終的には「ゼロ」にすることが人類の目標であり、そして今世紀半ばまでという比較的短い期間で達成することが求められています。そこに至る道程には、もちろん、解決しなければならない問題があります。世界的な人口増加や経済の発展は排出ガスを増加させますし、戦争をはじめ世界規模、地域規模の紛争による影響も懸念される点です。このように巨大な課題に向き合った時、人は無力感をおぼえるか、あるいは開拓者精神を刺激され、「私に何ができるだろう?私たちが協力すれば、どんな貢献を果たすことができるだろう?」と自問するかもしれません。

自動車・産業機械分野でグローバルなサプライヤーとして活動するシェフラーは、この問いかけへの答えとして、当社の革新力と技術力を駆使し拡大する再生可能エネルギーへのニーズに応えることから始めたいと考えます。太陽光や風力など自然界から得られる再生可能な一次エネルギーは、そのままでは需要に応じて利用することはできません。こうしたエネルギーを未来の電力システムとして活用するためには、適切な貯蔵技術が必要です。当社では、研究開発活動の一環としてグリーン水素の製造・利用技術の開発に注力しており、運輸・輸送業界などを具体的な市場の1つとして想定した取り組みを進めています。

こうした活動が、真に環境に優しい電気自動車開発として結実すると私たちは考えています。人類の活動により排出される温室効果ガスのおよそ6分の1は、運輸・輸送業界由来であると言われています。過去20年間に開催されたシェフラーシンポジウムのテーマを振り返っても、車両セグメントを問わず、持続可能なパワートレイン技術の開発は、長きにわたり当社の経営上重要な課題であり続けたことは間違いありません。2010年まで、技術開発の中心は燃費の向上にあり、それが現在のハイブリッドや電動パワートレインの拡大につながっています。モビリティとパワートレインの新たな時代の幕開けは、まさに目の前に迫っています。2035年までに世界で生産される車両の50%以上が、バッテリー式電気自動車(BEV)になると当社では予測しています。市場によってはそれを上回るとも言われており、たとえば欧州ではほぼ100%の車両がBEVになるともみられています。電動駆動と内燃機関を組み合わせたハイブリッドパワートレインの割合は、2035年に世界で約35%に到達すると当社では予想しています。その頃までにハイブリッドシステムは大きな変貌を遂げ、現在よりもさらに優れた持続可能性が達成されていると思われます。商用車部門でも電動パワートレインへの変革が急速に進展すると考えられますが、燃料電池などその他のエネルギー供給・変換システムの採用が拡大する可能性も考慮する必要があります。

ドイツ開催の「Schaefller Kolloquium 2022」及び日本開催「Schaeffler Symposium Japan 2022」では、サーマルマネージメントを一体化させた4-in-1 電動アクスルや、画期的なアキシャルフラックスモータ、シリーズ方式とパラレル方式を併用するハイブリッド駆動など最新鋭の技術をご紹介するほか、環境にやさしいパワートレインの迅速で経済的な量産化を実現する先進的な生産技術についても披露させていただく予定です。当社が誇る高度な垂直統合型生産体制と、成型や表面処理など既存技術におけるノウハウが確固たる基礎となり、先進技術の迅速な上市や、新しい駆動システムの最適化を可能にしています。当社のお客様であるOEM各社が最終的に必要とするのは、その顧客であるエンドユーザーが納得する「優れたコストパフォーマンス」である、とシェフラーは考えています。

気候保護の重要性は疑う余地もありませんが、未来のモビリティを決定づける要素は、パワートレインだけではありません。現在の自律走行・自動運転への取り組みは、技術的には8~10年前の電気自動車と同じような段階にあると言えます。約10年前、私たちは電動パワートレインの開発に注力していました。その時と同様に、今は自律走行技術に必要不可欠のステアリングシステムの開発に向け、コンポーネント1つ1つから、車両全体のコンセプトに至るまで、全力を傾けて努力を積み重ねています。

システムの統合性は、あらゆる技術と車両分野において鍵となる要素です。新たに開発される技術も、そのメリットはハードウェアとソフトウェアが車両全体のコンセプトと融合しなければ、最大限に活かすことはできません。シェフラーはお客さま目線でのモノづくりを実践しています。そのことは、今回のドイツ開催のシンポジウムに用意した実車走行可能な6台のデモ車両でも実感していただけたはずです。

このシンポジウムの会場もしくは オンライン技術論文 を通じて、当社の「We pioneer motion」の精神を共感していただけたら幸いです。

Uwe Wagner, CTO(最高研究開発責任者)
Matthias Zink, オートモーティブ・テクノロジー事業部CEO
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