シェフラー、ドイツ・シュヴァインフルトに自社製造施設を建造し、セラミック製部品の供給を最適化

2023年10月18日 | Schweinfurt / Yokohama

• セラミック製部品は、風力発電、鉄道輸送、航空宇宙等の主要成長分野で使用
• 投資によるドイツ・シュヴァインフルト拠点の強化 ‐ シェフラールクセンブルクと緊密に連携
• ボール研磨工場の建設により、シェフラーは柔軟性を向上させ、バリュークリエーションチェーンを最適化

ドイツ・シュヴァインフルト出身のフリードリヒ・フィッシャーが初めて硬化スチールボールの量産化に成功してから140年、現在はシェフラーが所有するシュヴァインフルトの敷地に再びボール研磨工場が建設中です。しかし、今注目されているのはスチールボールよりもむしろセラミックボールです。セラミックボールは、風力発電や航空宇宙、そしてほぼすべての電動化アプリケーションといった主要成長分野向けの高精度転がり軸受に使用されています。

この研磨工場に供給されるブランク材は窒化ケイ素製で、シェフラーが新たに取得したルクセンブルグのリヴァンジュにある拠点で製造されます。

セラミック素材は硬度が高く、低比重・低摩擦で絶縁特性があります。従来の素材では性能や安定性の要件が満たされない場合や、コンポーネントの電気シールドに関する特殊要件がある場合などに採用されます。

シュヴァインフルト（ドイツ）とリヴァンジュ（ルクセンブルク）で生産されるセラミック製部品は、風力発電や鉄道輸送、航空宇宙、そして医療・電動機器など成長が期待される多くの分野で使用される予定です。あらゆる産業で電動化が進んでいることを考慮すれば、その重要性は急速に高まることが予想されます。

シュヴァインフルト拠点の未来の技術
シェフラーは2023年1月、ルクセンブルクのリヴァンジュで25年以上にわたり高品質セラミック製品の開発・製造を手掛ける専門メーカーCERASPIN社の買収手続きを完了しました。同社を傘下に収めたことで、シェフラーはこの戦略的重要分野のサプライチェーンのほぼすべてを網羅することになります。セラミックボールの研磨能力の強化は、シュヴァインフルト拠点にあるシェフラー産業機械部門本社のボールベアリングセンターの活動強化がさらに一歩進んだことを示しています。

シェフラー産業機械部門R&D責任者のマイケル・パウシュ博士は次のように説明しています。「シュヴァインフルトにボール研磨工場を新設することで、シェフラーは、この地で育まれてきた偉大な伝統を現代に継承します。1883年、フリードリヒ・フィッシャーは、ボール研磨機を発明し、彼が設立したFAG Kugelfische社により初めて量産に成功したのです。現在、シェフラーは高付加価値なセラミック製部品の生産および加工能力を拡大しており、サプライチェーンとバリュークリエーションチェーン全体の最適化を図っています。ボール研磨工場の新設により、シェフラーの戦略的成長セグメントにおいて未来を見据えたセラミック製品の採用が可能となります」。

140年前にシュヴァインフルトで開発された最初のボール研磨機
シュヴァインフルトにボール研磨工場を新設することは、未来に向けた一歩であると同時に、その歴史にも光を当てることになります。1883年、フリードリヒ・フィッシャーは自身が発明したボール研磨機で大量生産時代の先駆けとなり、その7年後には研磨機で特許を取得します。彼が開発したボール研磨機により「センタレス研磨」の原理を利用して均一かつ完璧な真球のスチールボールを初めて大量に研磨することが可能となったのです。フィッシャーが設立したFAG Kugelfischer社は、2001年にシェフラーが傘下に収めています。