その他の軸受支持部
シェフラーの軸受は、その堅牢性と高い費用対効果により、架線テンションプーリーおよびポイント、傾斜技術および安定化システム、ならびにトラックゲージ変更システムでの使用にも最適です。さらに、ドアシステムおよび乗降補助、車両本体と台車間の接続、ならびにブレーキシステム用の軸受支持部においても、安全性と長い稼働寿命を保証します。
恒常的な荷重にもかかわらず、頑丈で堅牢

典型的な耐久消費財である鉄道網は、長期的な投資であり、長い年月にわたって激しい荷重にさらされます。たとえばポイントおよび架線テンションプーリーでも、シェフラーの軸受は長年にわたり高い信頼性での稼働を支援します。
試験に合格した設計により安全性と機能性を保証
軽量、省スペース、滑らかな運転性、信頼性は、いずれも現代の鉄道車両のブレーキシステムに求められる要件です。INAの針状ころ軸受、クローズエンドのシェル型針状ころ軸受、アキシアル針状ころ軸受、シェル型ローラークラッチの優れた特徴を組み合わせた先進的な製品が誕生しました。

速度の上昇による走行時間の短縮と快適性の向上

INAの傾斜技術および安定化システム向けの軸受により、都市間輸送における走行時間が短縮し、快適性が向上します。該当する用途に応じて、INAのローラフォロア、環状溝付き円筒ころ軸受、ニードルローラー/スラスト円筒ころ軸受、メンテナンスフリーのラジアル球面すべり軸受を使用します。シェフラーの傾斜技術向け軸受は、スイスの都市間車体傾斜車両(ICN)やフランスのアルストム社のニューペンドリーノなどに採用されています。
トラックゲージの調整に伴うコストと時間の削減
ヨーロッパとアジアでは異なる種類のトラックゲージが使われており、これが国境での乗客や貨物の輸送の遅れの原因となっています。国境駅では自動ゲージ調整機能を使用し、車両ではゲージ調整式輪軸を使用することで、車軸の車輪間の距離を迅速に、優れた費用対効果で調整することができます。
メンテナンスフリーの円筒すべりブッシュとINAカムフォロアは、複雑なゲージ調整機構に対応し、保守間隔を長くするのにも役立っています。これは、ZNTKポズナン社のSUW 2000のトラックゲージ調整システムなどに採用されています。
保守が不要なため安定した走行特性
カップリングは機関車の引張力を後続の貨車や接続された複数の駆動ユニットに伝達します。一部の特殊設計(クローズカップリングなど)では、引張力のみでなく圧力や荷重も支えます。
INA球面すべり軸受は、この適用分野において30年以上にわたる実績があります。以前はほぼメンテナンスフリーの鋼鉄/鋼鉄球面すべり軸受でしたが、現在ではすべり軸受材質ELGOGLIDEの特性により、非常に長寿命なメンテナンスフリーバージョンとして性能がさらに向上しました。これは、メンテナンスコストの削減とダウンタイムの短縮という鉄道事業者の要求に応えるものです。
優れた剛性と小さなクリアランスにより、長期間にわたり高い信頼性を維持
集電装置とパンタグラフは、固定型電車線から車両の電装品に電気エネルギーを伝送します。これは、きわめて多様な稼動条件のもとでも、高い信頼性で行われなければなりません。例えば、500 km/hを超える速度や、-40 °Cを下回る稼動温度などにおいてもです(コンポーネントは保護されずに気候条件にさらされます)。
滑らかな動作、省スペース、低摩擦なソリューションが可能なシェフラーグループの軸受は、優れた剛性と小さなクリアランスを特徴としており、現場で長期間にわたってトラブルなく使用できます。
耐久性と堅牢性による低い保守要件
客車、貨車、プラットフォームのドアシステムでも、シェフラーの軸受が使用されています。トラックローラー、上部転輪、カムフォロア、リニアボールブッシュ、ラジアル球面すべり軸受、ロッドエンドにより、こうした大きな応力のかかる複雑なシステムでも非常に信頼性が高く、また保守間隔を長くすることができます。
客車
客車のドアの開閉サイクルには、外側への旋回動作や、ドアのウイングの直線状の開閉動作も含まれます。メンテナンスフリーのINA球面すべり軸受とロッドエンドは、こうした旋回動作を高い信頼性とともに実行します。場合によっては、フランジハウジング付きラジアルインサート玉軸受も使用されます。リニア動作には、トラックローラーとガイドシステム、または再循環ボールガイドシステム付きリニアユニットが使用されます。
開閉動作を安全にガイドする補助的なトルクサポートとしては、トラックローラーも有効であることが実証されています。稼動時間は、時には10年間以上になる場合もあります。
貨車
貨車(スライドボックスカーや自動荷下ろし車など)のドアシステムは、多種多様です。シェフラーの上部転輪、トラックローラー、針状ころ軸受、すべり軸受は要求される堅牢性と耐久性を保証し、保守費用を低く抑えます。これらはシャッターやカバーの機構で使用されており、スライド機構、ガイドシステム、トルクサポート、リンケージ、駆動装置の軸受支持部の高い信頼性を維持しています。
起伏のある路線区間でも、最大限の走行快適性
4点接触軸受の旋回リングは、最新式の路面電車や地下鉄の車両本体と台車を接続するのに使われます。これらの軸受の取り付けポイントは、激しい汚れ、長い運転時間、振動、高い事故発生率、困難なアクセスなど、過酷な条件にさらされます。
INA旋回リングがこうした過酷な条件でも耐えられるのは、以下の理由によります。
- 効果的なシールによる水蒸気噴射からの保護の改善
- Corrotect®腐食保護
- 予圧軌道システム
- 特殊潤滑グリース
- 長い保守間隔
- 高い信頼性
- 組み付けが簡単
さまざまな特殊設計のもの(カバーを追加したタイプや、一体型の調整・再調整可能なロールダンパー付きのタイプなど)が現在稼動中です。
極端な荷重でも非常に優れた荷重耐性
現代の鉄道車両では、乗客が車両間を自由に移動できるよう、個々の車両本体が通路でつながっています。これはメンテナンスフリーのINA球面すべり軸受とロッドエンドによって接続されており、極端な荷重(緩衝衝撃荷重など)のもとでも、小さな軸受寸法、低い軸受摩擦、長寿命で優れた荷重耐性を実現します。INA球面すべり軸受では、快適性も向上します(例えばシーメンス社製Combino低床連結式鉄道車両など)。
上部中央接合
上部中央接合は、車両本体同士を屋根で接続します。メンテナンスフリーのラジアル球面すべり軸受とロッドエンドは、カーブや上り坂、下り坂を通過するときに生じる回転・傾斜動作や縦方向の傾斜を吸収します。
下部中央接合
下部中央接合は、車両本体同士を床部で接続します。アンギュラコンタクト球面すべり軸受とアキシアル球面すべり軸受は、カーブや上り坂、下り坂、あるいは水平状態の道床を通過するときに生じる回転・傾斜動作や縦方向の傾斜を吸収し、また車両本体間で加速力を伝達します。台車を使用しない低床車両では、車両本体にかかる重量も支えます。