シミュレーション、計算、試験
最先端の計算およびシミュレーションプログラム
当社のスペシャリストは、風力タービンのデベロッパー、メーカー、事業者と密接に協力して作業します。最先端の計算およびシミュレーションプログラムを通じて、風力発電用軸受の最適な設計を導き出します。システム全体(個別のころがり軸受やその構成部品、周辺コンポーネントから、パワートランスミッションシステム全体まで)を考慮し、このうちパワートランスミッションシステムについては、自社開発のマルチボディシミュレーションプログラムを用いて表示・最適化します。
2011年以来、リアルな力とトルクのシミュレーションが可能なAstraiosが有益な成果を挙げており、軸受ソリューションの新開発や、シミュレーションおよび計算モデルの最適化のために活用されています。

システム全体からころがり接触まで

シェフラーカリキュレーションチェーンに含まれるCAEツールは、設計の特定の要件に完全に適しています。
- SIMPLA:ころがり軸受のノウハウを駆使したシステムシミュレーション
- BEARINX:システムについての理解に基づく軸受設計
- CABA3D:軸受内部の動的表示
- TELOS:接触を重視
SIMPLA:システムシミュレーション

ハイブリッドマルチボディシミュレーション(MBS)を使用すると、風力タービン全体の動的挙動が表示されます。
モデルに基づき、ドライブトレインの個別のコンポーネントとタービン設計全体を、最初の開発段階から改善することができます。
- 非線形の多次元連結軸受モデルを用いたハイブリッドマルチボディシミュレーション(MBS)
- MBSモデルは既存のBEARINXモデルから導き出すことが可能
BEARINX:最適な軸受設計

BEARINXソフトウェアを使用すると、全種類の軸受、複雑なシャフト、シャフトシステム、駆動装置全体までをモデル化し、計算することができます。
BEARINXでは、特に以下の要素が考慮されます。
- 軸受の非線形弾性たわみ挙動
- シャフトと軸のたわみ
- ハウジングと周辺コンポーネントのたわみ
- 軸受操作時のクリアランスまたは予圧
- ローラーと軌道の形状、および軌道接触部
- 傾斜した回転エレメントや型出しした回転エレメントを考慮した実際の接触圧
- 潤滑油条件、汚れ、実際の接触圧が疲労寿命に及ぼす影響
CABA3D:ころがり軸受のシミュレーション
CABA3D:ころがり軸受のシミュレーション
- ころがり軸受の動態分析
- あらゆる自由度を考慮に入れた、回転エレメントとリングの力および動作パターンの決定
- CABA3Dにより、回転エレメント(例えば回転エレメントが荷重ゾーンに入ったとき)の摩擦エネルギーと加速挙動の計算が容易になります。
TELOS:ころがり接触のシミュレーション

- 3Dころがり接触シミュレーションプログラム
- 一般的な潤滑条件下でのあらゆる接触
- 準定常荷重および過渡荷重条件
- コーティング済み/コーティングなし軸受支持部
FEM

さらに詳細な分析のためには、FEM解析によって、周辺コンポーネントが軸受に及ぼす影響、およびその逆の影響を特定することができます。
風力タービンの信頼性と費用対効果の向上

世界最大級で、最もパワフルな部類に属するこの最新の大型軸受試験装置により、最大15トン、最長3.5メートルの軸受を、網羅的なシミュレーションプログラムを用いてリアルな条件下で試験することができます。ASTRAIOSにより、風力タービンのシステム全体、影響要因、ドライブトレイン内の相互関係の理解がいっそう深まります。こうしてシェフラーは、風力タービンの開発期間の短縮、設計プロセスの信頼性の向上、およびタービンの費用対効果と安全性の向上に大きく貢献しています。
この試験装置の「Astraios」という名前は、ギリシア神話で4柱の風の神の父親となった神、アストライオスに由来します。
リアルな力とモーメントのシミュレーション
無風状態から嵐まで、風力タービンは絶えず変化する風条件にさらされます。こうした風力タービンで生じる実際の荷重とモーメントをシミュレーションするのがASTRAIOSです。
- ローター軸受および旋回リング用
- あらゆるローター軸受支持部コンセプトの試験が可能
- 最大6 MWまでの風力タービン向け
アニメーション:すべての力とモーメントのシミュレーション
アニメーション:試験軸受
包括的な分析
試験軸受内の300以上のセンサーからの情報が得られ、これが多様な分析のために評価されます。測定および制御技術は、シェフラーの研究開発用オートメーションシステム、SARAによるものです。当社のエキスパートがデータを評価し、試験結果との比較を通じて計算モデルを進化させます。