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モビリティのチェーンレス化 シェフラー製チェーンレス・ドライブシステム搭載の 電動カーゴバイクが製品化

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チェーンレス・ドライブシステム「Fee Drive」搭載の電動カーゴバイクは、街中で食品、郵便物、医薬品などを配送するのに利用可能。 写真:シェフラー(Daniel Karmann)

2023年02月15日 | Bühl / Yokohama

  • シェフラー製チェーンレス・ドライブシステム搭載の電動カーゴバイクが初の製品化
  • チェーンレス・ドライブシステムは、都市部での配送に用いる電動カーゴバイクや電動ユーティリティバイク用に特別開発された製品
  • 革新的な「バイク・バイ・ワイヤ」コンセプトは、都市のマイクロモビリティに新しいビジネスモデルの道を開く技術

電動カーゴバイクや電動ユーティリティバイクが都会の街中を走る姿をよく見かけるようになっています。こうした電動自転車は、街中で食品、郵便物、医薬品などを輸送・配送する、迅速で地球温暖化に悪影響を及ぼさない理想的なソリューションです。こうした動きを促進すべく、シェフラーは、二輪電気駆動を専門とするHeinzmann GmbH & Co. KGと提携し、革新的なチェーンレス・ドライブシステム「Free Drive」を共同開発しました。CIP Mobility GmbHが最初の顧客となり、「Free Drive」を搭載した電動自転車が都市交通の路上で走行することになります。シェフラーAGオートモーティブ・テクノロジー事業部CEO(最高経営責任者)のマティアス・ジンクは次のように述べています。「我々は未来に向けて都市のモビリティを見直す必要があります。電動カーゴバイクは、特にラスト・マイル・デリバリーにおいて、重要なギャップを埋める役割を果たします」。シェフラーは、これを成長市場と見ています。2021年、電動カーゴバイクの世界市場は6億3,000万米ドル規模となり、前年比9%増を記録しました。2032年までには21億4,000万米ドルまで成長すると予想されています。(出典 Persistence Market Research)

シェフラーとHeinzmannがこの革新的なチェーンレス・ドライブシステム「Free Drive」を最初に一般公開したのは2021年8月で、それ以降、製品化に向けて準備を重ねてきました。先月の実地試験が成功したことを受け、現在生産を開始しており、今後5年間にわたって、生産能力を着実に増強していく計画です。ペダルからホイールへの高効率な送電を誇る「Free Drive」の最初の納入先はCIP Mobility GmbHです。同社の mocci スマート・ペダル・ヴィークルは、使いやすく経済的で、手入れが簡単、そしてサステナブルな、都市部および工業地域での商業部門モビリティの新しいスタンダードを打ち立てるものです。マイクロモビリティの革新的プラットフォームとして開発された mocci カーゴバイクは、スマート・ハードウェアにインテリジェント・ソフトウェアと最先端材料を組み合わせたもので、自転車業界の常識を打破する製品です。CIPの共同創設者であるディミトリオス・バチャダキースは次のように述べています。「シェフラーとCIPの協力関係により、革新力と性能を高めて、研究開発・生産拠点としてのドイツの地位を強固なものとしていきます」。

チェーンレスで摩耗知らず
「Free Drive」は、ペダル発電機、駆動モーター、顧客仕様のバッテリー装置、そしてヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)から構成される、最適に組み合わされたシステムで、Heinzmannが自転車メーカーや運送業者向けに販売する製品です。「Free Drive」の中核的なコンポーネントは、シェフラーが開発したペダル発電機です。ペダル発電機で一定のペダル抵抗を生み出して発電し、リアホイールのハブに搭載したモーターを駆動します。従来の電動自転車に比べて、ペダルをこぐ力が大幅に少なくてすむように設計されていて、カーゴバイクに乗る人、特に長距離の配達ルートをカーゴバイクで走行する人にとっては、大きな利点となります。余った電力は電動自転車のバッテリーに蓄えられ、後で使うことができます。このようにして「Free Drive」では、駆動総出力250ワットを実現しています。

この自転車用ハイブリッド・ドライブシステムの主要な利点の一つとして、チェーンやベルト、ギアリング、スプロケットのほか、機械的駆動部品が無いことが挙げられます。そうしたものが無いため、従来の電動自転車に比べて、はるかに機械的摩耗が生じにくくなります。「Free Driveを用いれば、摩耗した駆動チェーンの交換は過去の遺物となります」と電動モビリティ事業部門の責任者であるヨッヘン・シュレーダー博士は述べています。堅牢設計でメンテナンスの手間が減るということは、路上走行の時間を増やし、修理に費やす時間を減らすことができるため、カーゴバイク配送業者にとって大きなメリットとなります。一方、カーゴバイクに乗る人は、服にチェーンオイルが付く心配をしなくてすむと、その良さを実感するでしょう。

送電システムにより、設計自由度が大幅に向上
従来型電動自転車のドライブシステムでは、ペダルとモーターを機械的に接続する必要があり、それによって設計に制約がありましたが、「Free Drive」は、その名のとおり、設計の自由度を大幅に高めることができます。「チェーンレス・ドライブシステムは、自転車設計やペダル位置にまったく新しい可能性を開くもので、これには二輪、三輪、四輪の、または屋根付き、屋根無しの自転車の設計も該当します」と、ヨッヘン・シュレーダー博士は説明しています。デジタル・バイク・バイ・ワイヤというコンセプトは、運転モード間でのギアシフトやギアチェンジがソフトウェアによって行われることも意味しています。これを可能とするため、チェーンレス・ドライブシステムのコンポーネントはすべて、CANを介して相互通信するようになっています。

Free Drive搭載のmocci
mocci のスマート・ペダル・ヴィークルは、柔軟で、迅速かつ環境にやさしい都市部での走行を求めている企業にとって、革新的でサステナブルなソリューションです。「Free Drive」システムにより、カスタマイズ可能で安全かつ完全接続を可能にした、電動自転車のまったく新しい運転経験ができます。mocci のもう一つの革新的特徴は、フレームやホイール、フォークフレームといった構造部品が、スチールやアルミではなく、リサイクル可能な高性能プラスチック製ということです。従来のスポークホイールに比べて、フロントホイールとリアホイールは単一構造の部品で構成されているため、堅牢性が増しています。
フレームは、スケーラブルな射出成形加工により製造されています。これにより、従来のアルミ製フレームの製造に比べてCO2排出量をおよそ68%削減できます。CIPの共同創設者であるディミトリオス・バチャダキースは次のように述べています。「2023年には、広範囲にわたるB2B顧客にスマート・ペダル・ヴィークルを提供していく予定です。すなわち、都市部のモビリティの形に決定的な影響を与えていくということです」

発行者: Schaeffler Automotive Bühl / Schaeffler Japan
国: 日本

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