デジタル製造 ― シェフラー、AIベースのソフトウェア開発に投資

2023年09月07日 | Herzogenaurach / Yokohama

• シェフラー、ドイツのソフトウェア開発会社up2parts GmbHの株式を取得
• 株式取得によりデジタル製造における既存の協力関係を補完
• シェフラーの先進生産技術部門責任者であるトーマス・クレマーが、up2parts GmbHの共同CEOに就任

シェフラーにとってデジタルソリューションは、将来的に持続可能でインテリジェントな製造を実現するための鍵となります。ソフトウェアの開発を手がけるドイツのスタートアップ企業up2parts GmbHは、数年前からシェフラーのデジタル工場構築に向けた活動に協力しています。この提携の目標は、最新機器および製造バリューチェーン全体を網羅するAIベースのオートメーションソリューションを開発し、これをアジャイルな製造環境に展開することにあります。このたび、シェフラーはup2parts社の株式を取得いたしました。取得金額は非公表とすることで合意しております。株式取得と同時に、シェフラーの先進生産技術部門責任者であるトーマス・クレマー（49歳）が最高経営責任者（CEO）に着任し、マルコ・バウアーCEOとともにup2parts社を率いることになりました。

「製造の完全なデジタル化は、シェフラーの最優先課題です」と、シェフラーAG最高執行責任者（COO）で生産、サプライチェーンマネジメント、および購買を統括するアンドレアス・シックは述べています。「デジタル化により、当社のグローバル製造ネットワークのアジャイル化、効率化、迅速化をさらに高めることができるため、シェフラーの成功にとって不可欠です。up2parts社の株式を取得することは、当社の製造工場83拠点を、強力なパートナーとの協力のもと、半自律的でサステナブルな工場に変革するための、次の論理的な一歩であると考えます」。シェフラーはすでにup2parts社及び、同社に同じく出資する工作機械メーカーDMG MORI社と共に、ドイツ・ホーホシュタットにあるシェフラーの最先端ツールテクノロジーセンターで共同開発を行っています。3社は、作業シーケンスが記載された工程表（Route Sheet）をAIベースで作成する工具製造デジタル化統合システムを確立しました。

シェフラーの先進生産技術部門責任者であり、up2parts社の共同CEOであるトーマス・クレマーは、次のように述べています。「シェフラーとup2parts社は、強力で緊密な提携関係を構築しておりますが、これをさらに強化したいと考えています。工具製造をデジタル化する革新的なシステムの共同開発は、画期的なものとなるでしょう。人工知能を利用することで、シェフラーは将来、例えば、工程表をさらに効率的に計画できるようになるでしょう。当社はまた、工作機械の機械加工プログラムを自動作成するクラウドベースのAUTOCAMソリューションも開発する予定です」。

シェフラーの他、スウェーデンに本社を置く工作機械メーカーSandvikもup2parts社に出資しています。Sandvik社は、製造業、鉱業、そしてインフラ業などの生産性と持続可能性を高めるソリューションを提供する世界的な最先端エンジニアリンググループです。「シェフラーとSandvik社は、当社の財務基盤を強化するだけでなく、貴重な技術に関する知見や市場に関する知識も提供してくれます。彼らの知見は、デジタル化された効率的な製造環境の構築を目指す当社のビジョンを実現へと導く一助となるでしょう」と、up2parts社の共同経営者であるマルコ・バウアー氏は述べています。